バイオディーゼル燃料の原料となる植物油は生物由来資源(バイオマス)であることから、植物が太陽光をエネルギーとして光合成を行い、二酸化炭素(CO2)と水から酸素を繰り返し清算することができ、石油などの化石燃料とは違って、再生可能な燃料です。
国際的に気候変動に関する条約では、バイオマス由来の燃料を燃焼した際に出るCO2については、CO2排出がゼロカウント(カーボンニュートラル)とされています。
例えば、車の燃料を軽油からBDFに替えた場合、CO2削減量を算出すると、
変更前 2.62㎏-CO2/ℓ(軽油のCO2排出原単位)×1ℓ(軽油使用量)=2.62㎏-CO2
変更後 0.00㎏-CO2/ℓ(軽油のCO2排出原単位)×1ℓ(軽油使用量)=0.00㎏-CO2
となります。
もし、軽油を年間で1万ℓ消費する車では、CO2排出量を26.2トン-CO2を削減することができます。CO2の削減を進めることで、企業のCSR活動においても良い影響を与えてくれます。
また、廃食用油を回収してBDFを精製することは、資源の有効活用だけではなく、水質汚染の未然防止にも繋がります。
ディーゼルエンジンでバイオディーゼル燃料(BDF)を使用した場合に軽油と比較して、排ガス中の粒子物質(PM=Particulate Matter)が極めて少なくて済み、規制値の1/3から1/7の排出量になっており、さらには、硫黄酸化物(SOx)は大幅に削減されます。
廃食油は、水質汚染の尺度である、環境負荷(BOD=汚れの尺度)が非常に大きいため、台所の排水に流したり河川に投棄を行う事はやってはいけません。
また、新聞紙にしみこませたりや凝固剤で固めて可燃物として廃棄することもゴミ削減の観点からはマイナスのこととなりますので、出来る限り再利用できるよう、気に掛けることが重要と考えています。
※BOD(生物化学的酸素要求量)=水中に溶けている有機物(汚染物質)が微生物によって酸化分解される際に消費される酸素の量のことを言います。