バイオ燃料と食糧供給への影響


農作物を原料とするバイオ燃料は、食糧の供給を圧迫するという問題をはらんでいる。国連は、バイオ燃料の潜在的なメリットは大きいとしているが、世界では1日に2万5000人もの人が餓死していることを考えると、バイオ燃料ブームで作物の価格が上昇すれば、食糧の安定供給が脅かされてしまうと警告をしています。

21世紀半ばには、エネルギーと食糧の需要は現在に比べ、2倍以上にふくれあがると見込まれており、逆に、温暖化が進み、今後数十年で農業生産性は現在よりも低くなると考えられていることから、影響は大きくなると予想されています。

食糧の安定供給を脅かさずに、バイオ燃料のメリットを生かすには、食糧以外の原料を用いるしかないといえます。これまでは、トウモロコシの実や、サトウキビのしぼり汁がエタノールの主な原料となっていましたが、植物の茎や葉、更には木くずなど、通常は破棄されるものからもエタノールを作っていくことが出きると考えられています。